黒髭苔撲滅作戦 追加事項

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戦いに勝つには、まず相手を知ることから。
っというわけで、
以前、(2007031820070320)において、

・通称:黒髭藻(ヒゲ状藻),糸状藻,ハケ状藻,房状藻・・・等々。
・外国では:Brush algaeと呼ばれている。
・学名: Audouinella sp
(Audouinella で検索すると、海外の良いサイトが出てきますよ。こんなのとか「Aquaticscape.com」)
紅藻類に属する
・増え方:胞子
・特徴
色素体として赤色のフィコビリンを有するため、他の植物では光合成に利用できない0.5~0.6μmの波長の光(緑色の光)を効率よく利用することが出来る。
吸着性が強く、葉が広い水草や生長が遅い水草・パイプ類・ガラス面に着生する。
ヤマトヌマエビ等、一部の生体により一定の発生抑制効果はあるが、決定的な効果までは認められない。
発生した場合、早期の物理的防除(付いた黒髭藻を取り除く:葉の切除やガラス面から擦り取るなど)が有効。


っと紹介しましたが、これだけで黒髭苔が目立って増える理由とするには不十分でした。
しかし、今回新たな知見を得て、何故黒髭苔が増えやすいかわかった気がするので、ご紹介します。
キーワードは、二酸化炭素ルビスコです。



■知見1 「二酸化炭素 高親和性ルビスコの存在」
ルビスコ(ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxugebase: RuBisCO)とは、光合成における暗反応で二酸化炭素をカルビン回路に取り込むところで働く重要な酵素です。簡単に言えば、植物が二酸化炭素から炭素を取り出すときに必要な物質って感じです。

よって、本来ですとルビスコは二酸化炭素と反応するべきなのですが、二酸化炭素濃度が低いと酸素と反応してしまう(=無駄な行動)という変わった特徴を有しており、如何にしてルビスコが二酸化炭素と反応する状態を維持するかが、効率的な光合成の鍵になります。
※本当はルビスコが酸素と反応するには、余分なエネルギーを発散するという重要な役割があるのですが、今回は話の都合上割愛します。

しかし、紅藻類が有するルビスコは一般的な緑植物のルビスコよりも非常に優秀であり、
二酸化炭素との親和性は約2倍!
とされています。
また、その他多くの優秀な特徴があり、
一般的な植物紅藻のルビスコを
軽自動車のエンジン と V8エンジン
と、学者が例え話にするくらい、差があるとされています。



■知見2「二酸化炭素 高濃縮能力」

紅藻類だけでなく、一般的にアクアリウムで「コケ」として扱われる藻類の多くが有する能力ですが、これによって水草が生えないのにコケが生える水槽が誕生する(苦笑)原因の一つだろうと思ったので紹介します。

一般的に、藻類のルビスコは二酸化炭素の親和性が低い(紅藻のルビスコは親和性が高いからもっと厄介)。しかし藻類には、
細胞内で二酸化炭素濃度を外界の数十~数千倍に濃縮する機能
を有しているため、効率的にルビスコと二酸化炭素を反応させ、光合成を進めます。
よって、
単に外界の二酸化炭素を取り込んでいる一般的な植物(アクアリウムでは水草)と比べ、藻類はかなり効率的な光合成が可能
であるということが明らかとなっています。


■まとめ
以上2つの知見から、
①藻類は二酸化炭素濃度が低くても養分や光が十分であれば、一般的な植物(アクアリウムの場合は水草)よりも活発に生長しすることが出来る。

②紅藻類は、緑色の光を利用できるフィコビリンを有し、更に二酸化炭素濃縮能力と二酸化炭素高感受性のルビスコを有することにより、水槽という何らかの要素が欠乏しやすい環境において、他者より優位な立場にある。

ということが推測されます。


また、黒髭やその他藻類の発生を抑えるための対策として、
二酸化炭素を十分に添加すること!
が有力だろうと思われます。

しかし、これは闇雲に二酸化炭素を添加すればいいというわけではなく、相対的に
水草の生長が藻の生長に負けない環境を作る!
(=藻が吸収できる養分を残さない)
という基本であり、最も難しい課題が改めて示されたと思います。

これを実行する上においては、
今回話題にした二酸化炭素だけではなく、光や各種栄養など、植物の生長を取り巻く様々な因子の関係、「Dobeneck(ドベネック)の要素樽」等を頭に絵描きながら、よく現状を観察し、知識をフル活用して、各因子がバランスよく存在する環境になるように管理していくのが重要だろうと思います。

また、あくまで今回提示した「二酸化炭素の添加」という手法は、可能性の提示に過ぎません。個々の水槽にはそれぞれの原因(光も栄養も低い状態でバランスが取れてれば、二酸化炭素の添加の効果も薄れるだそうし・・・・)があり、これをしたら大丈夫!っという特効薬の用なものは無いと、私は考えます。「ドベネックの要素樽」の話に帰着すると、水槽ごとに板(=要素)の組み合わせが違うので、何が足りないか、何が余分かはそれぞれです。
とにかく、水草が良く生長出来る環境を作り、藻が吸収できる養分を残さないようにするのが、基本方針です。
つまり、水草は生えないのに藻(=コケ)だけが大量発生するような水槽は、何らかの要因が欠如(=樽の板が一部足りない)しているためだと考えられます。また、水草は生えるけど藻(=コケ)が大量発生するばあいは、何らかの要因が過剰(=樽の板がやたら長いのがある)にあるためだと考えられます。何らかの因子が欠乏、過剰どちらになっても藻が発生するリスクが高まると考えていいと思います。

最後に、毎度の事ながら素人の文ですので、間違いがあるかもしれません。自己責任の上、参考にしてください。

参考図書
“朝倉植物生理学講座3「光合成」(佐藤公行編) 朝倉書店”
他、多数。

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コメント
この記事へのコメント
すっげ!めっちゃ研究している
おととなんて思いつく限りの事を
思いつくままに実行
運良く抑制する事は出来たけど
じゃぁなんで出来た?って聞かれたら
さて?なんででしょう?としか言えないもんなぁ~
う~ん、それにしても素晴らしい記事だ
2008/03/13(木) 23:08 | URL | おとと #-[ 編集]
おみごと!
いつもながら、的を射た知識の選択と解説力、おみごと。
大変勉強になります、そして面白い。
藻類は進化の必要がない程洗練された生き物なのかも。
厳しい環境である程その勢力を広げるとは、
まるで不況に強い隙間商売のよう・・・

やはり試行錯誤と観察による経験が大切と、簡単にはいきませんね。
まァ、だから面白いのか。
2008/03/14(金) 00:18 | URL | cheepappa #SQbl7Cak[ 編集]
>おとと様
いやぁ、研究というか、受験勉強の副産物なんで(^^A。
とわいえ、自分自身新しい発見ばかりなので、興味深いと思っています。
まぁ、本当に「参考」にしかならない記事ですが、頭の隅に置いてくだされば幸いです。

>cheepappa様
「隙間産業」って言葉が出てくるのがすごいなぁ。cheepappaさん賢いっすね(^^)
しかし、まさにそうだと思います。これらの事項が分かる前、本来光合成に有利な赤色の光を反射してしまう紅藻類が、進化の過程で淘汰されなかったのが不思議とされていたこともあったそうです。これを見ると、逆にしたたかさを感じますよね。。。
2008/03/20(木) 00:29 | URL | 浩之 #x9c5GV3o[ 編集]
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